心と身体の緊張が多く起きると感覚は薄くなり、イメージ通りに身体を動かせない状態になったり、

疲れが溜まっていることも気が付かないなど

無意識の緊張が身体を不調にしていると言われています。

　　　　　　　　　

また、手術やケガなどの身体的トラウマやストレスが繰り返されると

筋肉が反射的に収縮することが習慣化されてしまい、筋肉のコントロールが失われ

緩める事ができなくなるのです。

これらは、慢性的な肩こりや腰痛になって現れます。

　　　　　　　　　　　　

筋緊張や痛みの原因はセンサリー・モーター・アムネジア（感覚運動健忘症）にあると考えられています。

筋肉のコントロールは、本来皮質が管轄していますが

身体的なトラウマやストレスが繰り返されると管轄が脳幹へ移行して無意識化してしまい、

意識的に筋肉を緩める事ができなくなってしまうのです。

　　　　　　　　　　

そのため、神学者、哲学者、身体学者のトーマス・ハンナは、

神経レベルで筋肉をリセットするには脳の再教育が必要と考え、

考案したのが「ソマティクス」（ソマティック・エクササイズ）です。

　　　　　　　　　

筋肉のコントロールを取り戻すには、皮質脊髄路という伝達路を使うことがポイントで

エクササイズとしては、自分で感じてゆっくり動かすことが効果的となります。

慢性的に悩まされている痛みなどは、筋肉自体の問題ではなく、脳で感じることや動かすことを

筋肉の緊張によって忘れてしまうという機能的な問題なので脳の再教育をすれば克服が可能なのです。

　　　　　　　　　

私が良く行うのは、ヒップリフトをゆっくりと行います。

お尻を上げる時は、背骨を1本1本感じながら床から離していきます。

お尻を下ろすときは、また背骨を1本1本感じながら床に下ろしていきます。

背骨のどこら辺が当たっているのか感じながらゆっくり行って感覚を取り戻していきましょう。